鮫島慶太鮫島慶太

5年後、10年後に「生き残る会社」「消えている会社」

「週刊現代」の2016年5月21日号で、将来性のある業種・企業と
そうでない業種・企業についての記事があり、興味深く読ませて頂きました。

http://news.line.me/issue/oa-gendaibusiness/1jeaf1of59ohc

これだけ変化の激しい時代では、5年後どころか来年のことすら見通すことは
難しいと思いますが、中学や高校の現場で進路指導をしていてずっと
気になっていることがあります。それは

昔も今も、中高生がトレンドに流されやすい ということ。

2014年度入試までは「文低理高」

ところが、大学生の就職率が良好になった途端、2015年度、2016年度入試は
「文高理低」にシフト。

これは、最近に限ったことではありません。
不景気になると、薬学部の偏差値が医学部までとは行かないまでも
異常値になったことさえあります。

最も厳しい時代には、文系で早慶レベルを狙える生徒が敢えて理系を
選択し、薬学部を目指すといった話も優秀な進学校ではあると
聞いたこともあります。

2002年前後やリーマンショック以降の理系人気、薬学部ブームなどで
理系の指導にご苦労なさった先生方も多いのではないでしょうか?

でも、ブームというかトレンドはあっと言う間に去り、
損得勘定で進路選択した学生が、ある意味損をする…。

ただ、これは最近の若者に限ったことではないですね。

私たちの頃だって、ドラマに影響を受けて特定学部に
大量の受験者が集中することもあったし、バブルの頃には経済系・法学系の
人気は当然高かった。社会に出るか出ないかで「バブル崩壊」を経験する
ことになった訳ですが…。

マスコミ人気も高かったですが、現在の「斜陽」を予期していた学生が
どれだけいたか?私自身も含め、予想もしていなかった人間がほとんどだと
思います。

トレンドに乗ってしまう安易な進路選択をなんとかしようと
導入されてきたのが、「自分探し型キャリア教育」なのかもしれません。

どうなっても、自分で選んだんだから、納得出来るということでしょうか。

ただ、中高生の進路意識や動向は本質的に何も変わっていないように
見えるのは一体何故なんでしょう?

もっと昔を考えると、選択肢そのものが限られていた時代があったと思います。

親が商売してるから、継ぐのが当たり前。

それが不幸だったか幸福だったかは、それぞれでしょうが
いずれにしても、選択肢が限られていた時代には、
「進路」は今よりもずっと「リアルなもの」
だったように思います。

本で読んだり、ドラマで見て憧れたりといったものではなく
親が働いている姿を毎日見て、人生を親の背中から学んで・・・。

二世議員の是非が議論されることも多いですが、「おいしい仕事だから
親が子どもに勧める」という面はあるにしても、「議員」という仕事の
リアルを知っているという意味では、普通の人よりもはるかに「議員」
という道を「リアル」に見て知っている。いいこととは限りませんが。

いずれにしても、大半の学生が安易なトレンドに流されてしまうのは、
仕事を「リアル」に感じられないからではないかと思います。

だから、「キャリア教育を!」 だから、「自分探しを!」

果たしてそうなのか?

正直言うと、私個人は、あまりそう思っていません。

なぜなら、いくら「リアルに知る」ことを追求しても、それすら
変わってしまう時代なのですから。

高校生として日常の中で、目先の損得ではなく、何でも貪欲に学ぼうとすること。

志望だけではなく、自分を磨き、自分をどう社会で役立てるかを考え、適性を最大限活かすという視点もしっかり持つこと。

時代が変わって、やるべきことが変わっても自分を変えることが出来る人材を
育てるには、そういう学生生活をおくって貰うしかないように思います。

また、「変化」に対して我々大人も苦しみながらも自分を磨き、変えていく姿勢
を持たなければ…。子ども達は私たち教員のことも見て育っている訳ですから。

アクティヴラーニングもグローバル人材育成もICT教育も正直疑問ですが、
だからと言って、居心地のよい場に安住することは許されないと思って
仕事をしているつもりです。

なんだかまとまりのない話になりましたが、色々なことを考えさせられる
記事でした。

この記事を書いた人

ESN英語教育総合研究会

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