山田英雄山田英雄

アデレード

どこがCT?から間が空いてしまいましたので、仕切りなおし(^_^;)

先日、南オーストラリア州アデレード市を訪れ、高校を何校か見て回りました。気になったこと。訪問した高校はいずれも州政府からの補助金を使い、校舎の改修・増築を実施。いわゆる講義中心の「教室」を「対話がしやすい空間」に作り替えていたこと。壁を取り払い、廊下側は全て窓ガラスにしたり、壁が全面ホワイトボードになっていたり、もちろんイス・机は可動、学びの道具はPCやタブレット・・・。何が気になったか、というと、今、まさに対話中心の授業を実施する空間をどんどん作っていること。すごく進んでいるわけでもなく、遅れているわけでもない。とにかく、変化進行中であったことが目で見て分かったこと。

外側だけでなく、カリキュラムも変更していました。ダイアログの重視、コラボレーションは大前提の授業展開。今まで見たことも聞いたこともない事案に、どのようにして対処していくか。いかにして創造性豊かな発想を育てることができるのか。多様性をどのようにして創出し、受け入れる練習をしていくのか。こうしたことを文字化して、全員で共有しながら授業計画を作成し、実施していく。つまり、フォーマットとプロセスを提示して、授業案を作成する。

そこで、現地の先生方や教育庁の方に質問してみました。「先生方はついてきていますか?」と。Yes & Noでした。教室やカリキュラムがどんどん変わっているので、半ばそうせざるを得ない。でも相変わらず旧来の講義型の授業もありました。ある先生は、先生方の3割はついてきていないとも言っていました。ハードが劇的に変化するなか、ソフト(先生方)はどう対応しているか。「週に1日は2時頃授業を放課して、先生方の研修に充てています。」それでもまだまだ。

さて、この事象をどうお考えになりますか? 例えば現場の教員の目線で、例えば管理的な目線で、例えば俯瞰した見方をしたら・・・。

視点を変えれば見方が変わる、かもです。これこそクリティカルに見るための一つのやり方。みなさんのご意見はいかがでしょうか。(もちろん、私の記述は私の私見ですから、これを基に議論するのはそもそも無理がある、もっと事実を提示しないと話にならない、というご意見もありますが。)

私の意見は、「すごいなぁ」「うらやましい」と同時に、「変える」ことと「変わる」こと、両方とも大切だけど、「変わる」ことの方が難しいんだろうなぁ、と。国は変われどいずこも一緒か。

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