山田英雄山田英雄

どこがCT?#3

しばらく投稿をさぼっていました。ごめんなさい!!

さて、CTについて少しずつ説明してきました。ここまでを簡単にまとめれば、能動的・受動的に論理的な矛盾に対するセンサーを持つことだ、と言いました。とはいえ、言うは易しですよね。そこで、CTセンサーを身に着けるために、次なる作戦を展開するのです。

まず、能動的に、間違いなく情報を伝えるトレーニングをします。一番容易なやり方の一つは順を追って述べることです。例えば目撃した事故を相手に伝えるならば、事故が起こる前から起こった後までを時系列で述べればよい。また例えば、カップラーメンの作り方なら、間違ったものができないように手順を示せばよい。

もちろん、聞く側も、意味が通るかどうかチェックしながら聞きます。わからなかったり、情報が足らなかったらすぐ質問です。

次によくトレーニングするのは、状況の説明です。色、形、大きさなどの物理的な情報や、いわゆる5W1Hといった基本情報を言葉にします。「どんな人が、何をしたのか?」という説明が典型ですね。

こうしたトレーニングを、describingと言ったりします。そして、describingする手法として、listing upしたりsequencingを意識したりするのです。

このような情報伝達トレーニングを通して、できるだけ客観的に事実を言葉にする練習をします。思い込みや感想を求めません。あくまでも、見たもの・ことや書いてあることをキャッチできたかどうかのトレーニングです。

また、ここでは語彙力が大きく問われます。つまり、言葉を知らなければ表現できないのです。また、知らない言葉は(意味を)聞き取ることすらできません。ですから、情報伝達をするために、たくさんの言葉や表現を知らなければなりません。そのために、多くの人と言葉を交わし、たくさんの本を読むことが奨励されるわけです。

このようにして、情報を間違いなく発信し、また誤解なく受け取ることがCTの第一歩となります。クリティカルに思考するには、一朝一夕にはいかないのです。

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