鮫島慶太鮫島慶太

大学説明会に思うこと

高校3年生の担任なので
今年は大学の説明会を聴く機会が多い。

中高6ヵ年の現場にいると大学受験生を
担当するのは多くても6年に一度。
新しい情報についていくのが大変だが
その分時代の変化については敏感に感じる。

前回受験生を担当したのは2008年度。
わずか7年でここまで変わるものか…。

まず驚くのが入試広報担当者のプレゼン能力の高さ。

大学が一般に持たれているイメージから出発し
具体的なデータで聞く人間のイメージを修正ながら、
大学の再評価を顧客に促す。

日常的な事象から出発し、それぞれの学部が同じ事象を
どのようなアプローチで研究していくのかを高校生にも
分かりやすく丁寧に説明する。

7年前の説明会では、校歌を歌うような勢いで
卒業生の多さや実績を大声で宣伝するような
正直下品とも思えるようなプレゼンもあったが
そうしたプレゼンはほとんどない。

見事に洗練されたPR力には人にものを教える我々教員も
学ぶべきところが多く勉強になる。

だが、気になるのは…。

表面的なプレゼン法は多様だが、PRしている内容は
まるで金太郎飴のように同じなのだ。

①グローバル対応:英語教育充実・留学生受入・留学半強制・外国人教諭採用増・少人数教育
②キャリア教育充実:大学1年次からの指導強化
③経済支援(特に地方出身者)強化 ⇒ 首都圏占有率を下げ大学を多様な人材が来る全国区へ戻す

時代が求める人材を輩出するのも大学の大きな役割の一つ。

①~③のような流れのプレゼンは必然なのかもしれない。

しかし、本当にこれでよいのか?

新しい時代の日本に必要な人材は、これまでの大学教育では育たない。

これはある程度事実なのかもしれない。
我々教育の場にいる人間は一人一人が当事者として
反省や具体的な改善の実践が必要だ。

刻一刻と変化する世界に対応するには
従来のような学びの枠組みそのものでは駄目だ。
大学は変わらなければならない!

それは分かる。

が、何故、皆同じ方向を向き、同じようなタイプの人材育成を掲げているのか?

留学させて、英語漬けの講義を聴かせ、学びのハードルを下げ遠回りをさせず学ばせ
就職時に求められるスキルを早い段階から身につけさせる。

そうした教育で育つ新しい優秀な人材もいるだろう。
だが、万能ではない。

「解なき世界」で「解」を創り出すには多様な人材が必要なのでは?
大量生産される同タイプの人材を世に送り出すリスクにも何故目を向けないのか?

ある大学の学長先生はこうおっしゃっていた。

「学生に媚びるな!自ら育つ若者を育てよ!と私は教員に訴えている」

トイレが汚いだけで募集が減るような時代への対応に追われながらも
熱い想いを持ち続ける人もいる。

やはり人を育てるのは人だ。

やれることを精一杯やろう。

私たちも「解なき世界」の中で
解を創りつづけるしかない。

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ESN英語教育総合研究会

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