Very50主催 社会から逆算する探究学習に参加してきました。
登壇者
鴎友学園名誉校長 吉野先生
茨城県立並木中等教育学校校長 中島先生
Very50代表 菅谷氏
2020/2/15 1400~1800
前回のイベントで顔見知りになった鴎友の吉野名誉校長の発信を目当てに参加しましたが、全体の全てが全て期待以上の素晴らしいイベントで大満足です。
先日の荒瀬先生の講演のテーマでもあった、『教育改革頓挫の先』に明るい未来を感じさせて頂いた素晴らしいイベントでした。
吉野先生のお話は、鴎友学園がどのように女子教育の存在意義を模索し、改革を成し遂げてきたのかが中心。学力軸とは別に社会性としての非認知能力を軸に女子教育に取り組んで来られたのかについて、勉強になる点、参考になる点が多くありました。ベネッセのスタディサポートの中にある心理・スキルテストの4類型(途上型・社会型・自我型・達成型)を単なる診断ツールではなく、理念共有を土台にした教育成果をメタ認知するコンパスとして活用されたことに感動しました。またVery50がNPOの理念として掲げる4類型(Greed/Parasite/Dreamer/Very50=自立した優しい挑戦者)とも非常に親和性が高いことにも驚かされました。どちらも四象限マトリックスであるのに、見るものをそこに縛り付けて支配しマウントを取り価値観を一方的に押し付けるためのものではなく、成長や変化を促す素晴らしいデザインに見えるところが、多くの胡散臭いコンサル的なデザインとは全く違うものだと感じました。
私からは質問として、『生徒の自己肯定感の視点から、社会型→途上型→自我型→達成型の成長モデルが多くのモデルの1つに過ぎないのではないか』という直感を基に、守破離の生活指導モデルについて、先生のお考えを聞かせて頂きました。ICT活用含め、社会や家庭教育の実情が変数として機能しうる点について大いに共感しました。
中島先生は、最早エンターテイナーの域に達しておられました。日本史の先生としても教科書だけでなく参考書も多く出版されている先生。板書を一切しないスタイルで地域三番手校をセンター試験平均で県内ベストに導いた実績を持ちながら、そこに安住することなく、『楽しくない学びは学びではない』という信念を持ち、Active Learningに取り組まれてきた歴史をお話下さいました。ALを広める為に独自のアイデアで開発された用語の数々に、ただただ感動。AL指数(授業でのアクティブラーニングの度合いを測定する指数。でもその真意は先生の心的ハードルを下げる仕掛け)、R80(出口汪氏の論理トレーニングから着想を得た論理力養成ツール。論理的思考力ではない点が興味深い。RSTと似ている発想。高い学力層を教えた経験から学力の基盤となる力を論理力と喝破し、それを養成するツール)、Co-Syudan-co(個→集団→個へと学習をデザインしテストで点も取れる成果が出ないようなALでは意味がない、とする授業デザイン)、TO学習(六学年の集団を人的リソースとして活かし、上級生が下級生を教える取り組み。イエナプランを思い出しました)、4方向リスペクト(生徒×教員)、NT5(ニュータイプ校の5要件)、AAL(【Art&哲学】×AL)など。数々のアイデア満載の独自用語を繰り出しながらも、ガンダム愛、エヴァンゲリオン愛を滲ませ笑いを取りつつ、実は全てが生徒と教員への愛に溢れた先生の宝物を見せられた気分でした。
中島先生は探究の出発点として堀川高校を見学されたとお話になってましたが、二日前に講演会でお会いした荒瀬先生との繋がりにも不思議なご縁を感じました。
私からは、『4方向リスペクトの中で最も難しいと思われる教員×教員リスペクトを校長としてどう生み出されたのか?』を質問しました。先生のお答えは先日のある企業でのワークショップに通じるものでした。一言で言えば、『最初から無理しない』。
中島先生の講演の締めは、いつも歌。
今回はゆずの『栄光の架け橋』。
歌上手すぎやろ?
お二人とも住む世界が違うと感じる素晴らしいリーダーだと、感動しました。
菅谷さんからのお話は前回と同じかと思いきや、これもまたいい意味で期待を裏切ってくれました。まさか、Newspicksの世界をバッサリ斬るとは。Very50というチームが、何故これだけ素晴らしい場を提供出来るのかが少し分かった気がします。中島先生のAALの話に感動した点は吉野先生、菅谷さん、私も全く同じ点で、言語化出来ない領域の魅力についてのワクワク感を共有出来たことがとても嬉しかったです。
そして、実は今日のMVPだと私が思ったのは、この会を回したVery50の中山さん。スラムダンクで言うとPG仙道君。視野の広さ、瞬時の判断、並では出来ません。
荒瀬先生の講演に続いて、こんなに面白い会になるとは。お腹いっぱいです。