https://www.newsweekjapan.jp/…/2023/02/post-100921_1.php
和地先生にご紹介頂いた記事。
2016年に卒業生を出した後、活動の範囲を外に広げてきましたが、そこから様々な方々との出会いも頂き、2018年辺りからこの課題?をずっと考え発信してきました。流石、舞田さん、流石、和地先生。
もはや、大学入試・18歳科挙一発選抜は、オワコン。ここへ向かう変化は、現場の体感からは少なくとも2005前後から感じてきたこと。
まだまだ2023年の今になっても、現場では、この変化に対して無知・鈍感で、数の変化を自分の成功と信じて疑わない人も少なからずいるし、メディアの煽り記事もまだまだ散見されるのだけど。
舞田さんの描く未来がどの程度の精度で実現するかは不確定。大学進学率80%を舞田さんは有り得ないと言ってるけど、確かに日本がそうなる確率はかなり低いものの、韓国見ればないと言い切れる話ではない。けど、確率が高い低いではなく、そうなる未来の更に先には、明るい日本の未来は見えない。
舞田さんの示す未来の他にも考えられる未来は幾つかあるので、私の未来予想を少し。
①大学進学率が上がり、大学が現在の水準を維持する。
→既に現状でも、一般選抜はほぼ終わりへ向かう流れが止められない。附属ビジネス、総合型選抜、学校推薦型選抜の方がメインストリームになるのは時間の問題。仮に『有名大学』に進学出来ても、その希少価値は現在の保護者層やその前の世代のそれとはまったく違う。そして『かつての希少価値』が期待出来る将来の『価値』も既に暴落し、今後もそれは続く。
②大学が定員を絞り現状維持を目指す。
→膨れ上がった法人組織を縮小するのは至難の技。もちろん、市場から退場を余儀なくされるところも増えるのは舞田さんの予想にもある通りで実現可能性も高い。ワークシェアリングならぬ受験生シェアリングが進むかと言うと、それも市場原理から考えると可能性は低い。少しずつ定員は減らすだろうけど、この変化に追いつけるとは思えない。
③海外からの留学生の比率を高める
→既に早稲田がやってる。他の私大でも見られる。APUはその先駆け。ある程度可能性のある方向性。でも、いつまで日本に来てくれるのか?外国人労働者の育成問題とリンクさせた政策と同時並行なら、そこそこ可能性はあるが、現状でも、海外からの留学生で優秀な人材は日本企業を選ばないし(理由は賃金・生活)、優秀でなければ大学で学ぶのでなく、在籍して働くことも。国力が落ちる一方の日本が、この道に活路を見出すなら、大学の存続という枠組では到底無理な話。
④有力大学含む日本の大学は見限られる。
→かなり可能性は高いし、現状でも富裕層や将来不安に敏感な層はとっくにそうしてる。今後はこの流れが益々大きくなるだろう。そうなれば、国内の大学の人材の価値は更に下がり続ける。多くの大学が市場から退場する、という舞田さんの予想を超えて、一部の大学の存続も怪しくなる。
⑤大学がリカレント・リスキリングの場へ進化する。
→舞田さんも記事の最後で提案している未来像。私も高大接続の場を含め、ここ数年ずっとこの方向性を発信してきた。けど、これ、大学の側から、大学のみの変化としてはかなりハードルが高い。スクリーニング・科挙一発選抜を土台に選別機関としてビジネスをあまりに長くやってきたこと、そもそも大学学内はただでさえリソース不足であることを考えると現状の社会構造を前提として大学のみの力でここへ向かうのは難しい。社会構造が#フレキシキュリティへ向かう構造変化を起こして初めて成立する未来モデル。