国連の障害者権利委員会による日本政府に対する勧告を受けて、スイスのジュネーブで開かれていた審査で、日本の状況を報告書として権利委に提出した当事者団体が12月6日、文科省に対して勧告に沿ったインクルーシブ教育の実現に向けた政策の見直しを求める要請書を提出した。要請書の提出後、衆議院第二議員会館で院内集会も開催され、障害の有無にかかわらずあらゆる子どもたちが共に学べるインクルーシブ教育の実現に向けて、日本の学校教育の転換を呼び掛けた。
9月9日に国連の障害者権利委員会は、日本政府に対して「障害のある子どもの分離された特別教育が永続している」として、中止を求める勧告を出し、インクルーシブ教育に関する国の行動計画の策定や、「特別支援学級に在籍している児童生徒は、原則として週の授業時数の半分以上を目安に、特別支援学級で児童生徒の障害の状態や発達段階などに応じた授業を行う」としている文科省の通知の撤回などを要請している。これに対して9月13日の閣議後会見で永岡桂子文科相は「特別支援教育を中止することは考えていない」と述べ、これまでの特別支援教育の政策を継続することや、通知を撤回する考えがないことを表明している。