来年度から東京都渋谷区の全区立小中学校で、月曜日から金曜日まで午後の授業を探究学習の「シブヤ未来科」に充てることが、12月27日までに教育新聞の取材で分かった。文部科学省の「授業時数特例校制度」を活用しながら、総合的な学習の時間を年間70時間から約150時間に拡充するなどして、午後の時間を中心に探究学習を充実させていく計画だ。教育課程をこれほど大胆に探究学習にシフトさせるのは全国でも初の取り組みとみられる。教科学習への影響や教員の負担への対応について、大きな学びの変革へとかじを切った同区教育委員会に話を聞いた。
総合的な学習の時間を年間約150時間に拡大
渋谷区では、以前より総合的な学習の時間を核とした教科横断型のカリキュラムの在り方を模索しており、2020年度からは区内の全小中学校で地域の課題や問題を知るとともに、課題に対する分析や方策を考える探究学習「シブヤ未来科」に取り組んできた。
同区教育委員会教育指導課の松村信之介統括指導主事は「子どもたちが豊かなホンモノ体験を通して自ら問いを立てたり、仲間と協働して新たな価値を創造したり、よりダイナミックな学びへと変革するために、来年度からは全小中学校で午後の授業を探究学習『シブヤ未来科』の時間とする」と、今回の改革の狙いを説明する。