ごはんを考える人を、ひとりにしないために
教員として、ESN英語教育研究会、女子教育研究会FENなどの活動を通して、私は長く「教育」と「社会の生きづらさ」の関係について考えてきました。
日本は、たしかに安全で、便利で、住みやすい社会です。
けれど同時に、空気を読みすぎること、性別による役割分担、家族の中で見えにくい負担、そして「ちゃんとしなければならない」という圧力によって、多くの人が静かに疲れている社会でもあります。
特に家庭の中の「ごはん」は、その象徴の一つだと思っています。
今日何を作るか。
冷蔵庫に何があるか。
何を買えばよいか。
栄養の偏りはないか。
家族の予定に合っているか。
子どもが食べるか。
疲れている日に無理をしていないか。
こうしたことは、しばしば誰か一人の頭の中に押し込められます。
そして、その負担は「家事が得意な人」「母親」「妻」「気づいた人」に偏りがちです。
でも本来、ごはんを考えることは、誰か一人の仕事ではありません。
食べることは、生きることそのものです。
だからこそ、父親も、子どもも、独身の人も、未成年も、それぞれの形で「食べること」の当事者になってよいのだと思います。
今回作った「おうちごはん」は、献立・食材・買い物リストを管理するための小さなWebアプリです。
1週間の献立を考えたり、買い物リストを見たり、食材の在庫を確認したり、レシピを家族や友人と分け合ったりできます。
ただ、これは単なる献立アプリではありません。
目指しているのは、
ごはんを考える人を、ひとりにしないこと
です。
アプリの中には、毎日少しずつ変わる短いメッセージも入れました。
ジェンダー、家事分担、同調圧力、完璧主義、「ちゃんとしなければ」という思い込みを、ほんの少しだけゆるめるための言葉です。
説教ではなく、暮らしの中で少し視点が変わるような、ささやかなメッセージを目指しています。
生きづらさを強いる空気が少しでも変わっていったら…。
まだ試用版です。
不具合もあると思いますし、使いにくいところもあるはずです。
それでも、もしよろしければ、ぜひ一度触ってみてください。
特に、次のような方に試していただけるとうれしいです。
毎週の献立を考えるのが負担になっている方。
家族で買い物や食材管理を共有したい方。
父親として、家庭のごはんにもっと自然に関わりたい方。
子どもや若者に「食べる自立」を考えてほしい方。
一人暮らしの中で、自分を雑に扱わない食生活を作りたい方。
そして、日々の暮らしの中で、少しだけ息がしやすくなる仕組みを探している方。
試用版はこちらです。
https://shark-learning-lab.com/cooking-demo/
なお、この試用版は、入力したデータが各端末のブラウザ内に保存されるローカル版です。
開発者側に献立や食材データが送信されることはありません。
ただし、同じ端末・同じブラウザを複数人で使う場合は、データが共有されることがあります。
「ごはん」は、毎日のことだからこそ、重くなりすぎることがあります。
でも同時に、誰かと暮らしを分け合う入口にもなります。
この小さなアプリが、住みやすいけれど少し生きづらい日本社会の中で、誰かの暮らしを少しだけ軽くするきっかけになれば幸いです。
この記事を書いた人
esn


